贈答マナーナビ

年間の行事 

熨斗をつけないお歳暮の贈り物を知っていますか?

お歳暮は1年の締めくくり、来年もよいお付き合いを

【お歳暮のならわし】

お歳暮は中国の行事が日本につたわり、室町時代に始まったとされています。中国の道教では、神様の誕生日のお祝いにお供え物をしており、日本ではお正月の年神様(歳神様)に供える品を本家や近所などに贈ったことから、中国の行事と結びつき、「お歳暮」と言われるようになったとされています。

いまでも暮れの贈答品として新巻鮭を用いることがありますが、これはかつてのお歳暮のかたちを残すもので、年神様に供える祝い肴の名残です。

現在のお歳暮は日ごろお世話になっている方々に一年間の感謝の気持ちを込めて贈るものです。できるだけ足を運んで感謝の言葉を伝えるとよいでしょう。

 

【お歳暮の基本知識】

・誰に贈るの?

日頃お世話になって感謝の気持ちを表したい方々や、義理のある方などに贈ります。とりわけお世話になった方々へは御礼の気持ちを込めてお贈りしましょう。時期を失せず礼をつくすことが大切です。

<親、親族>

既婚者は両親や義父母に贈る人が多いようです。親戚へ贈る場合は、兄弟などで相談して誰に贈って誰に贈らないか揃えるとよいでしょう。また、結婚式でお世話になった親戚には、結婚後のあいさつにもなりますので贈ったほうがよいでしょう。

<仲人>

挙式だけの媒酌人の場合は、基本的に3年間贈ればよいとされていますが、付き合い方によってはそれ以後も贈り続ける場合もあります。その場合は、3年目以降はお歳暮だけにするなどでももよいでしょう。

<先生>

習い事の先生に贈る人は多いですが、学校の先生には贈らないのが一般的です。塾の先生の場合は、受験の相談をしてもらったなど、個人的にお世話になった場合にだけ贈るとよいでしょう。

・何を贈るの?

品物を選ぶときに大事なことは、相手の家族構成や年齢、好みなど「相手のことを考えて選ぶ」ということです。贈り物に迷う場合は、正月に召し上がっていただけるようにハムやかずのこなど、季節感のあるものを選ぶのもいいでしょう。

・いつ贈るの?

お歳暮を贈る時期は、12月13日~20日頃までに贈るのがよいとされています。

・お返しは?

お歳暮やお中元は、一般的に目下から目上に感謝の気持ちを伝えることが目的であるため、受け取った人からお返しの必要はありません。ただし、お礼の手紙や電話をするのが最低限のマナー。ちゃんと届いたという連絡にもなりますので、受け取った側は必ずするようにしましょう。よいお付き合いを今後も続けていくためにも大切なことです。

 

【お歳暮の疑問】

・喪中のときは贈ってもいいの?

お歳暮は日ごろの感謝の気持ちを贈るため、贈る側、もらう側どちらかが喪中の場合でも贈っても大丈夫です。ただし、四十九日をすぎていない場合は、まだ気持ちが落ち着いてない場合もありますので、少し時期をずらしたほうがいいでしょう。また、遺族をなぐさめる言葉の手紙などを添えるとよりいっそう気持ちが伝わると思います。

・喪中の時の表書は?

品物を包む際は、熨斗や水引などは使用せず、表書と名入のみにします。贈る時期を年明けにずらす場合は、表書も「寒中見舞い」と変えましょう。

・お中元、お歳暮はどちらとも贈らないとダメ?

どちらかいっぽうでも大丈夫です。どちらかいっぽうだけを贈る場合は、1年間の感謝の気持ちということもあってお歳暮を贈ります。お中元を贈った相手には普通お歳暮も贈るものです。

 

【お歳暮の豆知識】

・熨斗を付けない品物?

熨斗は『御歳暮』と表書をして、紅白の水引を結びます。ただし、熨斗はそれ自体が生ぐさものですので、肉や魚を贈るときには、熨斗を付けないよう注意が必要です。

・最近の人気はクッキーと…

最近ではインターネットからの注文も多く、慣れ親しんだ品物を贈る人が多いようです。また、受取人が好きなものを選べるカタログギフトなども人気です。特に食料品が充実しており、選ぶ楽しさも贈れます。

 

【品物を受け取れないとき】

何かしらの理由で受け取ることができないお歳暮をいただいた場合、差し障りないよう同額程度の品物を同じく「お歳暮」として贈るのがいいでしょう。その際、「お心遣いに感謝申し上げます。」とお礼をのべ、「今後はお気遣いのないよう、よろしくお願いいたします」などと言葉を添えた手紙を一緒に贈ると、相手も次からは遠慮してくれるはずです。親族や親しい間柄でお断りする場合は、電話でその旨伝えてもかまいません。

面倒だからといって、届いた品物をそのまま送り返すことや、受け取りを拒否するのはマナー違反ですので、気を付けましょう。

ただし、賄賂性があると明らかに分かる場合は別です。贈り物を開封せず、上から包装紙をかけて送り返しましょう。相手を不快にさせないよう、受け取れない旨を書いた手紙を添えるとよいでしょう。また、自身が送ったものがそのように返ってきた場合、相手を怒らせてしまった可能性があるため、場合によっては詫状を出しましょう。

 

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